活用された方の声
VOICE

Quality、Universal、ONly one —
唯一無二の技術で世界を目指す「QUON」ブランドを立ち上げ、今年で10周年。
節目となる年を迎え、いま改めて、目指す姿とは。
代表の梶原社長にうかがいました。
オフィスを変えたら、採用が10倍に増えました
─ 「QUON」ブランドを立ち上げた経緯を教えてください
弊社は業務用のイス・テーブルの製造販売を行っています。
自社内に鉄工所を持ち、製品の企画から製造・販売まで一貫で行えること、イス一脚からでも受注できること、が特徴です。
そうした強みを活かし、創業50年の節目となる2011年に、自社ブランド「QUON」を立ち上げました。
「QUON」はQuality・Universal・Only Oneの頭文字を取った造語です。
この3つの思いを胸に、商品開発を行っています。
改装後のオフィス入口。一部フリーアドレスも取り入れている。
─ ブランド立ち上げ後、変化はありましたか
最も大きな変化は、新卒採用です。
ブランド立ち上げ後、イメージを分かりやすく伝えるため、ショールームを新設し、オフィスを改装しました。
当時の採用は売り手市場で、特に新卒採用には、とても苦労していました。
何とか人をかき集めて、説明会に来てくれたのが5人、でも一次面接で全員辞退とか。
それが、ショールームを改装した後は、なんと200〜300名が説明会に来てくれるようになったんです。
採用数は一気に10倍に増えました。
─ 10倍とは、劇的な変化ですね
はい、今は面接で泣く泣く落としています。10年前から新卒採用に力を入れてるんですが、
説明会に来るのは95%女性ですね。製造業では珍しいと思います。
いまは事務所内もカフェやホームリビングのような雰囲気に改装して、一部フリーアドレスの席もあります。
八尾なのに東京の会社みたいって言われることも(笑)。
食堂もカフェを意識したレイアウトにしていて、社員の満足度も上がってますし、
飲食業の人が視察に来た時に、店舗内装をイメージしやすいつくりになっています。
ちなみに、1階は鉄工所、2階はクッションや布を貼る作業所、3階はショールームと、各階でガラッと雰囲気が変わります。
このギャップを楽しんでくれる方も多いです。
─ 製品はどんなところで使われていますか
レストランやカフェ、アパレルショップ、オフィスなど、さまざまな場所で使われています。
皆さんも一度は目にされたことがあるかも。
あと、八尾市内の企業にも納品していて、
「うちの家具のおかげで新卒採用が増えたよ」
という嬉しい声をいただいたこともあります。
真のオンリーワンとは・・・いまハゲそうなぐらい悩んでます(笑)
─ なぜ補助金を活用しようと思われたのですか
ブランドは起こしたんですが、うまく言語化されてない、可視化されてないと感じていました。
社員にはなんとなく言葉で伝えてきたのですが、ちゃんと腹落ちしてないなと。
また、目先のニーズや収益の確保を重視するあまり、ブランドイメージにブレが生じてきました。
商売が先に立ってしまい、本当の意味での「QUON」ブランドが体現できていない、という危機感があったんです。
そこで、創業60周年、ブランド10周年を迎えるにあたり、改めて原点に立ち返りたいと考えました。
そんなとき、八尾市の「意欲ある事業者経営・技術支援補助金」のメニューに、
「コーポレートブランディングの支援」があるのを見つけたんです。
ちょうどブランドを見つめ直そうとしていたタイミングだったので、このメニューはとてもいい機会になりました。
─ 補助金をつかって、どんなことを実施しましたか
外部の目線も重要なので、当社のカタログ製作を依頼している会社に、ブランディングの支援をお願いしました。
まず、社員やお客様、ステークホルダーにヒアリングを行いました。
オーツーは社内外からどう見られているのか、なぜオーツーを選ぶのか/選ばないのか。
そうして集まった声をもとに、「QUON」のあるべき姿を定め、言語化し、可視化することを目的としています。
また、社内研修も実施しています。最近は従業員の数も増えてきたので、分かりやすく伝える言葉が必要だと思っています。
一言でいえば企業理念、いまそれを詰めているところです。
会社を本当の意味でのオンリーワンにするため、今まさに、ハゲそうなぐらい悩んでます(笑)。
「いま八尾は激アツ」って横浜の人に言われました
─ ハゲそうなぐらい(笑)、難しい作業なんですね
確かに難しいです。
ただ、八尾市役所が過去に実施していたSTADI※[1]やYAOYAプロジェクト※[2]、環山楼塾※[3]など、
様々な支援事業にも参加し、そこで得た知識や経験があったので、今回もチャレンジしようという気持ちになりました。
また、みせるばやお※[4]が良い出会いの場になっていて、他の企業さんの意見を聞くことができたり、
新しい連携が生まれたりしています。
八尾市の支援はとても手厚いです。いま横浜のデザイナーと契約しているんですが、
向こうでも「いま八尾は激アツ、面白いまち」と話題になっているらしいですよ。
八尾で事業をしていてよかったです。
[1] 2015年~2018年度に八尾市が実施した商品開発支援事業
[2] 2019~2020年度に八尾市が実施した商品開発支援事業
[3] 八尾市が実施している次世代経営者を育成するための人材育成プログラム
[4] 地元企業間の交流を目的とした、中小企業、大企業、大学、金融機関、支援機関で構成されるコンソーシアムの名称
Profile

創業から50年以上にわたり、イスやテーブルなど業務用家具の自社一貫生産・販売を手がける。2011年に全商品を統合した「QUON」ブランドをスタート。