活用された方の声
VOICE


問題解決型のまちの印刷屋さん
株式会社ワシミ印刷所
代表取締役 鷲見 耕輔さん
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八尾市本町において、印刷会社をされている株式会社ワシミ印刷所さま。

八尾市内の中小企業をはじめ、行政、学校教育機関、病院医療など、幅広いお取引があり、主な取り扱い業務は、名刺・封筒・複写伝票・チラシ・冊子などのビジネス用印刷全般、WEB制作・管理、サイン制作・施工などです。

今回、株式会社ワシミ印刷所さんがどのように補助金を活用されたのか、詳しくお聞きしました。

 

―貴社の業種内容、活動について簡単に教えてください。

弊社はおかげさまで大阪・八尾の地で明治23年以来創業133年を迎えることができました。 これまで培ってきたノウハウを活かした印刷業務を軸に、人が集まり、 協働できるような拠点として、また、交流の時間を大切にする空間であるコワーキングスペース「Hygge(ヒュッゲ)」を併設し、地域に根ざした、あらゆるニーズに対応できる体制とネットワークをフル活用し「誠実」に多種多様なニーズに応える企業として微力ながら努めてまいりました。

やっぱり紙の持つチカラは凄い

―歴史ある印刷屋さんを継ぐのは大変だったんじゃないですか?

実は私がここで働くようになってまだ18年程度しか経ってないんです。

それまでは、大学卒業してからずっと東京の旅行会社で働いていました。旅行会社の様々な部門に配属され、本当に色々な経験を積みました。いずれは生まれ育った八尾に帰って何か事業をするのかな…とぼんやり考えていました。ちょうどその時に叔父から印刷屋やらないか?と話があり…、決断した感じです。

まったく分野の違う業界と見られるかもしれませんが、旅行会社も印刷業界も、どっちもサービス業だと思っています。最初は、長年やってこられた職人さんと同じことをし、営業にも出ました。自分ができないことを人に教えることなんてできませんから。嘘さえつかず、誠実にやればやっていけました。基礎ができればなんとかなります。楽しくやってこられましたよ。

ペーパーレス化が進み、併せて材料高…大変な業界ではありますが、ずっと紙の持つチカラって凄いと思ってやっています。

自分の文章が見違えるように

―今回の補助金を知り、活用されるきっかけは何だったんでしょうか?

以前から八尾市立中小企業サポートセンターで経営相談をしていましたので、それがきっかけです。補助金申請もとてもお世話になりました。コーディネーターの指導を受けるごとに自分の文章が見違えるようになるんですよ、それがすごく感動的で!問題解決に向けて安心して相談することができました。

あとは、年1回発行される※サンギョウナビ、あれを見れば八尾市のサポート制度がよくわかるので、毎年参考にさせてもらっています。

(※サンギョウナビ…八尾市のサポート制度を紹介する冊子。年1回発行)

https://www.city.yao.osaka.jp/0000059323.html   

完全内製化が可能に

―今回、補助金を活用して行われた事業について教えてください。

紙を使わないことが当たり前となってきている上に、当然コスト意識も高まる中、印刷業界は、もともとお客様からの取り扱い商品が多い業界です。更に小ロット、短納期にその多様性に対応するためには、従来の印刷方法(※オフセット印刷)での作業効率、ランニングコスト、印刷工程上の様々な課題を解決する必要がありました。

今回、補助金を使って、オフセット印刷から※オンデマンド印刷へ完全転換しました。このことで作業工程が減り、即納・短納期が可能になりました。そして、これまで外注していたものが、完全内製化できるようになり、用紙のロスがゼロになりました。作業効率が格段に上がった結果、人件費が削減、残業もゼロになりました。

(※オフセット印刷…凸凹がない平らな「版」を必要とする平板印刷のこと)

(※オンデマンド印刷…電子写真方式やインクジェット方式などを利用した高速デジタル印刷機による印刷方法のこと) 

お客さまのコスト意識にも対応

機械の稼働時間を効率的に管理することで仕事のスピードが向上、時間の采配もしやすくなり、子育て世帯の社員さんも、子供が学校に行っている時間を利用して働くなど、フレキシブルな就労も可能となります。

また、オンデマンド印刷機の導入は、その多様化しているニーズに応えるだけではなく、お客様のコスト意識の変化にも対応できるよう、カウンター料金設定で1枚単価を明確にすることで、必要な時に、必要な枚数だけで注文できる(小ロット)対応が可能になりました。印刷データ入稿の場合は、即納で印刷商品のお渡しも可能になりました。

印刷業界はこれから更に厳しい状況となります。関係協力会社の廃業等に対し、すべて内製化ができ心配要素がなくなったことも導入の大きな効果だと考えます。

完全内製化により、お客様のコスト意識にも対応できるように。

用紙のロスや残業時間もゼロになり、柔軟な働き方も可能となった。

空間って大事。イノベーションが生まれる

―1階に機械を置かれ、そして2階はコワーキングスペース『hygge(ヒュッゲ)』なんですよね?

2年前に本町3丁目から今の本町4丁目に移転したんですけど、オンデマンドの機械が入るスペース、そしてコワーキングスペースだけの、前と比べるとかなり小さい、徹底的に無駄を省いた事務所にしました。コワーキングスペースは、オトナのオトコのロマンを詰め込んだ秘密基地に仕上げました。隠れ家なので、本当は誰にも教えたくないんですが(笑)

交流の時間を大切にできる空間で、Wi-Fi、デジタル印刷機器、電源を自由に使えるサービスをおこなっています下で印刷している間にここで打ち合わせをして、またすぐさま出来上がった製品を見に降りる。デザイナーさんとオンラインで打ち合わせする際も、静かなこの空間が役立ちます。ソファーに座りながらぼーっとしたり、ドリップしたコーヒーを飲んだり…。それぞれが好きなように誰にも邪魔されずに使える空間になっています。また、地域との交流の時間を大切にする空間でもあり、よりよい地域社会のために自分ができることを協働する…。この場所からイノベーションが生まれていると感じます。空間って大事ですよね。

 

↑コワーキングスペース「hygge(ヒュッゲ)」

“オトコの秘密基地”がコンセプト

この空間からイノベーションが生まれる

印刷して終わり、じゃない。

―今後の展望について教えてください。

多様化しているニーズに対応することは、将来的には、全国から自社サイトへの「小売り」の販売でマーケットが広がると考えています。WEBサイト、ネットショップの世界では、さらに効率的で有効なブランディングの場となりつつあり、新たな販路開拓のツールでの販売を広げていこうと考えています。

「すべてのニーズに応える」「小ロット、低コスト、短納期」「コワーキングスペース併設」の特徴を活かした問題解決型のサービスの実現ができる拠点としての役割を果たしていけたらな、と思います。

 

Profile

株式会社ワシミ印刷所
代表取締役
鷲見 耕輔さん
ペーパーレス化・材料高が進む中で、「紙の持つチカラをもっと知ってもらいたい」と奮闘する鷲見さん。前職(旅行会社)の経験も活かし、地域との繋がりを大切に提案型の営業を行う。
隠れ家、秘密基地を作ることが夢だった。コワーキングスペースにそれを詰め込んだとのこと。そんな想いの詰まったワーキングスペースでは日々イノベーションが生まれているという。

https://washimi.co.jp/