活用された方の声
VOICE


一歩を踏み出す、きっかけを。
株式会社ケーワールドism
代表取締役 澤井健司さん
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プラスチック金型を製造してきた技術を活かして自社商品を開発し続けているケーワールドism様。

どのように補助金を使い、活用されたのか、詳しくお伺いしました。

 

 

自分たちで世の中に発信できるものを。

─ ケーワールドism様のされている事業内容や活動について教えていただけますでしょうか。

プラスチック金型を製造している会社であり、化粧品関係や釣具関係、文具関係が主な取引先です。BtoB事業ですので、メーカー様から作って欲しいと依頼されたものを作っているのですが、今まで培ってきた技術やノウハウを活かして、形状から費用面まで、メーカー様にとって最善のものを提供できるように、逆にこちらから提案させていただくこともあります。私たちは金型を作っていますが、メーカー様の作りたい商品が、安定して量産できるまで責任を持つべきだと考えています。 私はもともと、金型を製造する別の会社で働いていたのですが、そこで成形の技術も取得していましたので、金型製造の目線からも、成形の目線からもお客様をサポートをすることができます。メーカー様が、よりスムーズに商品を作ることができるようにしたいという思いをもって業務に取り組んでいます。

 

 

 

また、補助金を申請する前から、自力で商品を開発してきたのですが、自社商品の開発を決断するために重要視されるのは、やはり費用なんです。もともとはBtoBの事業を行っているので、一連の流れの中で売り上げが入るのですが、自社商品の場合、開発にかかった費用を回収できるかどうかが、経営者として一番不安なんです。それでもなぜ開発するのかというと、我々は下請けであり、メーカー様のお手伝いをさせていただく立場のため、メーカー様からいただくお仕事によって稼働率が変わってくるんです。そんな中で、自分たちから世の中に発信できるものがないかと考え、自社商品の開発に踏み出しました。

 

これは、今回の補助金の活用事例ではありませんが、シャンプーなどを入れて使用していただくボトルを自社商品として開発しています。ポンプの下部が回転するので、最後の一滴まで使っていただける仕組みになっています。また、いままでは石油系の素材を使ってボトルを開発していたのですが、こちらの商品は、植物系の素材を使っており、環境にも配慮した商品になっています。これまでメーカー様に対して提案型の対応をしていた経験を、商品開発にも生かすことができたと感じています。

 

便利な仕組みと、環境に配慮した素材で作られた、自社商品のボトル。

 

ユーザーの声から生まれたマスクホルダー。

─ 今回の補助金を知ったきっかけを教えていただけますか。

私は商工会議所の会員なのですが、配信されているメルマガを見たのがきっかけだったと思います。毎回、自分たちの会社に合うようなおもしろいものはないか、とチェックしているんです(笑)

 

─ 具体的にどのように活用されたのですか。

自社商品として、マスクホルダーを作るために活用させていただきました。コロナ禍で、会社として何か社会にお役立ちできないかと考え、マスクを作るのは現実的ではなかったので、プラスチックの金型を製造してきた技術を活かした商品を作ろうと思いました。

 

折りたたんでマスクを収納できる、コンパクトなマスクホルダー。

 

─ 商品の特徴を、詳しく教えていただけますでしょうか。

マスクホルダーに着手しようと考えた時に、世の中にはすでにマスクホルダーというものが出回っていたんです。そこで、従業員やその家族の方々の声に耳を傾けると、「いまのマスクホルダーはサイズが大きいので、スマホサイズほどのものが欲しい」という声をいただきました。確かに、マスクは広げてみると大きいものなので、それを入れるケースも大きくなるわけなんです。どうしようかと考え、試行錯誤した結果、折りたたみ式のマスクホルダーができました。また、コロナの時代なので、抗ウイルス作用をマスクホルダーに加えたいと思いました。樹脂に抗ウイルス剤を練り込んで製造しています。時間はかかりましたが、第三者機関にその効果を検証していただき、抗ウイルス作用があることも証明されています。 コロナが収束しても、日本はマスク文化があるので、このマスクホルダーを手にとっていただく機会が今後も続くのではないかと考えています。いっときに売れる商品ではなく、根強く使っていただける商品が大切だと思っています。

 

また、ありがたいことに、八尾市のふるさと納税の返礼品としても扱っていただいてます。八尾市の補助金を活用させていただいて、マスクホルダーが販売できていますので、これで八尾市に寄付が入れば、少しでもお返しできるのではないかと思っています。

 

余裕が生まれ、戦略的に動くことができる。

─補助金を活用してみて、良かったことを教えてください。

当社が自社商品を製造するには、その金型も製造する必要があります。金型を製造をするとなると、費用がかなり高額になってくるのですが、補助金で一定割合補助していただけるというのは大きかったですね。勇気が出ました。開発費用が高額になればなるほど、いかに早くその費用を回収しようかという考えになってしまうと思うのですが、補助していただくことで、気持ちの余裕ができ、売り方の戦略を練ったりできたのが良かったです。ただ単純に、費用が抑えられるというピンポイントなものではなく、焦らずに、先を見据えた動きができる余裕ができることが、この補助金を活用するメリットだと思います。

 

─ 今後、補助金を活用される方に向けてアドバイスなどありましたらお願い致します。

経費的にはやはり助かるので、考えていても一歩が踏み出せなかった方々が、一歩を踏み出すきっかけになればと思います。きっかけって、大事だと思うんです。1から2、2から3に進むのは進みやすいのですが、0から1がなかなか難しいと思うので、補助金を一つのきっかけにしてみても良いと思います。

 

 

Profile

株式会社ケーワールドism
代表取締役
澤井健司さん
プラスチック金型および成形加工の製造、販売を行う。
薬品、化粧品、釣り具用品、日用品など幅広い分野を舞台に、モノづくりで貢献している。

https://www.k-worldism.com/