活用された方の声
VOICE


お客様からの要望に「どうやってやるか」を考え、導入した新設備。
錦城護謨株式会社
取締役本部長 篠崎義隆さん
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普段の暮らしに深く関わるゴム製品を製造している錦城護謨株式会社様。どのように補助金を活用されたのか、詳しくお聞きしました。

 

 

事業の多角化を進める町工場。

-貴社の業種内容、活動について簡単に教えて頂けますでしょうか?

ゴム製品製造業、土木工事業、福祉事業の3つの事業を展開しており、売上比では、ゴム製品製造業が全体の約6割を占めています。当社はもともとゴム製品製造業のみでしたが、土木工事に使用するゴム製品を取り扱っていたことから、土木工事の施工に参入したり、福祉部門におけるゴム製品の可能性を考え、福祉事業に参入したりと、事業の多角化を進めてきました。

 

-補助金を活用されるきっかけを教えて頂けますでしょうか?

社長から補助金の存在を聞きました。その後、八尾市のホームページを確認し、本格的に検討を始めました。申請をするにあたっては、八尾市にも相談させていただきました。申請にあたってのポイント等も教えていただき、大変有難かったです。

 

現場の声にも応えたい。

-今回の補助金を、具体的にどのように活用されたのでしょうか?

新事業への参入にあたり、従来の生産課題を踏まえた、新しいゴム成形機を購入しました。

当社では炊飯器のゴムパッキンなどを製造していますが、家電製品については中国との競争が激化しており、利益が小さくなってきています。そこで、新事業として車載部品に参入しようと考えていました。

 車載部品の製造にあたり、安定した受注を得るためには、短納期対応や不良率低下が必須条件でした。しかし、当社の従来のゴム成形機では、空気残りによるエアー不良やバリ厚(製造時に発生する不要部分の厚み)の不均一などにより成形スピードが上がらず、不良率も改善できませんでした。また、バリ厚の不均一が生まれることから、金型交換時の微調整に時間がとられ、従業員の負担にも繋がっており、改善を求める声が現場からもあがっていました。

そのため、このような問題点を解消できるようなゴム成形機の導入を検討していたところ、この補助金を知り、活用することにしました。

 

今回の補助金で導入した新しいゴム成形機

 

-実際に導入された設備について教えて頂けますでしょうか?

シリンダー部に独自改良を加えた新しいゴム成形機を導入することで、バリ厚の均一化を実現しました。併せて真空成形に対応することでエアー不良も削減しました。また、シリンダー部分の改良により、金型交換時の微調整が不要となったため、金型交換に割いていた時間を大幅に短縮することが可能となり、生産効率が飛躍的に伸びました。効果が非常に大きかったため、今後もこのゴム成形機の導入をさらに進めていきたいと考えています。

 

独自改良したシリンダー部分の効果により、生産効率が上昇した。

 

-補助金を活用してよかったことについて教えてください。

不良率の低下や、短納期対応が可能となったため、車載部品の受注は大きく伸びました。CM等で名前をよく聞く自動車のコーナーセンサーやエアバック等に、当社のゴム部品が搭載されています。

また、受注増による売上増加はもちろんのこと、社員の負担が軽減されたことにより、職場の雰囲気も明るくなったように感じています。もともと社員から上がっていた要望に応える形で改善できたことが、現場の士気上昇に繋がったと感じています。

 

今後の投資判断の参考に

-補助金を検討されている方へのアドバイスやメッセージを頂けますでしょうか。

当社には「メイドイン八尾」という言葉がありますが、この補助金が日本でものづくりをするきっかけになればいいなと感じています。日本のものづくりを残す、強化するために、そのきっかけとして使っていただきたいです。

 また、製造業の中小企業にとって継続的な投資は必須になります。その一方で、資金調達手段は限られており、投資判断についても充分な検証が不足しているケースが見受けられます。そのため、事業の起爆剤として補助金を活用するとともに、補助金申請のための事業計画を練るなかで、投資判断のための材料を整理し、分析することで、今後の投資判断の参考にしていただければよいのではないでしょうか。

 

Profile

錦城護謨株式会社
取締役本部長
篠崎義隆さん
工業品事業本部の取締役本部長として、ゴム製品製造に携わる。
お客様からの要望には「できない」ではなく、「どうやってやるか」を考える。

http://www.kinjogomu.jp/