活用された方の声
VOICE

~あらゆる粉体ニーズに高付加価値を創造する~ 創業80年余りの西村機械製作所さんがどのように補助金を活用されたのか、詳しくお聞きしました。
↑かわいいお米のキャラクターが出迎えてくれました
産業界のあらゆるプラントニーズに対応
―業務内容、活動について教えてください
国内外で毎年200件を超える粉体設備の施工を行っています。
粉体とは例えば米を粉砕した米粉、大豆を粉砕したきな粉等です。他にはスパイスやコーヒー豆、小麦、蕎麦等の穀物です。穀物以外にも医薬品や金属の粉体に関わる設備の施工も行っております。
既存設備の移設・増設・改造・更新、大規模なプラントの設計から施工、作業効率の向上を目的とした制御システムの改善。そして最新の生産システムを考慮した新工場の設営など、対応可能なニーズは多岐にわたります。また、生産ラインに異常が発生した場合の修復や改良保全などのサポートも行っています。
製造ラインや工場の新増設、生産性や安全性の改善、コンピュータを駆使した粉粒体制御の導入など、トータルエンジニアリング力を活かして産業界のあらゆるプラントニーズに対応しています。
最近では食糧安全保障の観点から国際的な課題解決にも取り組んでおり、国際連合工業開発機関(UNIDO)からの取材もありました。昨今の小麦粉の高騰で、小麦の代替として米を活用できるよう新興国にも製粉機を技術供与しています。
↑さまざまな製粉機や計量機、これらの機械は海を渡り、世界各国で使われています。
様々なセミナー、サポート、補助金事業を行っている八尾市にビックリしました
―今回の補助金を知り、活用されたきっかけを教えてください
「みせるばやお」にて八尾市の職員の方と接点を持ち、八尾市のサポート制度や補助金制度についてご紹介いただいたのが活用のきっかけです。八尾市にこんな様々なサポート制度があると知り、ビックリしました。当社事業が発展できれば八尾市への恩返しや地元活性化にも繋がると思い、補助金申請を行いました。
従来手法を変更することに挑戦
―補助金を活用して行われた事業について教えてください
機械装置を設計するときに2次元CADを利用しておりました。今回の補助金で3次元CAD設計ソフトウェアを導入し、業務の効率化と販売促進することがねらいとなります。新しい業務体制を構築し、従来手法を変更することに挑戦しました。
↑3次元CAD設計ソフトウェア
「業務効率改善」に効果を発揮
―実施した事業の目的、目標としたことを教えて頂けますでしょうか?
3次元CADの導入によって、
①図面作図業務の効率化
②仮想組立てによるエラー排除
③計算機能による設計業務の効率化
④販売促進材料への転用
⑤試作開発の効率化
を目標としました。第一歩としてソフトウェア操作を覚えなければならないため、全ての目標を即時達成することは困難なのですが、①④は導入2ヶ月ほどで既に効果を発揮しています。
3次元化で「効率化」と「販促効果」を実感
―今回導入されたソフトウェアの特徴や機能を教えて頂けますでしょうか?
3次元CAD設計ソフトウェア、『SOLID WORKS』を導入しました。
当社では通常、機械装置や構成部品の図面を2次元CADソフトウェアで作図しています。2次元と3次元の違いを大まかに言えば、2次元CADソフトウェアはパソコン画面上に線を書いて図面化するものですが、3次元CADソフトウェアはパソコン空間上にオブジェクトとして立体的に作図(成型)します。
2次元CAD作図は、大三角法という書き方を用いて 正面・平面・側面の3方向から見た図面を書きます。
例えば機械部品の寸法(サイズ)が変更になった場合、2次元CADでは正面・平面・側面 全ての図面を書き直さなければならないのですが、3次元CADは立体オブジェクトなので当該部分を変更するのみ つまり 3作図を1作図で済ませることができる、というメリットがあり、作業を減らすことができます。
他にも複数の立体オブジェクトをパソコン内で組立てて機械装置の完成状態を作り上げることも可能です。部品の干渉チェックにも運用できますし、重量計算機能やシミュレーション機能も搭載しているので、機械装置設計のための複数タスクを統合してくれるソフトウェアだと思います。
また、この3次元CAD設計ソフトウェアは、販促にも活用できます。今まではお客様への取扱説明書作成に、イラストを外注していましたが、このソフトウェアを導入することで、自社での作成が可能になりました。2次元よりお客さまに伝えやすいと感じています。
業務スピードの向上、そして保守派への刺激
―補助金を実際に活用して、よかったことを教えてください。
ある部品の作図時間を2次元と3次元それぞれで測定したところ、2次元:45分に対して、3次元:15分でした。作図時間の短縮はコストダウンに繋がりますし、チェック機能は経験が浅い者に対しても有効です。
機械装置設計に伴う様々な業務が付随的に集約され、業務スピードが向上したと感じます。
余談ですが、3次元CAD設計ソフトウェア導入に際した社内検討会では『使い慣れた2次元CADソフトウェアを使い続けたい』、『そんな高機能なソフトウェアは不要』、『操作を覚える時間がもったいない』といった反対意見も多くありました。今回、補助金事業として採択頂き、運用を開始してみると『便利な機能が沢山あるね』 『視覚的に分かりやすい』など、友好的な意見が多く聞かれたことから、“保守派への刺激”にも効果的だったと思っています。
―補助金を活用するうえで「こうしてほしい」と思うことを教えてください。
パソコンなど付帯装置にも補助金を適用して欲しいな、と思いました。
3次元CAD設計ソフトウェアの動作には高機能なパソコンが必要です。今回パソコンは自己資金で購入しましたが、付帯装置で二の足を踏んでしまう企業も多いかと思います。例えばソフトウェアに関しては専用パソコンも補助金対象として頂ければ、より多くの企業がチャレンジ機会を得ることができるのではと思いました。
申請や書類作成に関しては手間・大変、とは思いませんでした。
―これからの展望についてお聞かせ願えますか?
次に考えているのは「乾燥機の開発」です。
道の駅や商業者さま向けに卸している小型の製粉機には乾燥機がついていません。
当初は「製粉してすぐに使う」飲食事業者向けに開発した商品であり、乾燥機をつけることは考えていなかったのですが、「米粉も販売したいので、乾燥機を作ってくれないか」という声をいただきました。
この乾燥機の開発で、また意欲補助金に挑戦しようと思っています!
―補助金を検討されている方へのアドバイスやメッセージを頂けますでしょうか。
補助金に採択頂き、当社では3次元CAD設計ソフトウェアを導入した業務効率改善に挑戦しました。ソフトウェア導入によってもたらされるビジョンが明確だったので採択頂けたと思っています。展望と熱意があれば補助金申請は決して難しくはありません。八尾ファンである八尾市の担当の方々がしっかりナビゲートしてくれます。ニッポンのものづくり再興のため、まずは八尾市の企業みなさんで元気になっていきましょう!
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