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レポート

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2022-10-14八尾あきんど起業塾・受講生の声 vol.13(前編)

八尾あきんど起業塾2021~出発編~
受講生  北條 芙美 さん
令和4年5月 小児専門の訪問看護「訪問看護ステーション すくすく」を開業



● 開業のきっかけ
 もともと子どもに関わることが好きでしたが、普通の4年制大学に通っていました。就職を考えた際、病気や障害を抱えている子どもとも接する機会がある小児看護師に興味を持ち、大学卒業後に看護分野の短大へ通いました。短大を卒業後は小児専門病院に
11年間勤めましたが、自身の子育てもあったことから、夜勤がない仕事として、看護分野の教員に転職しました。(教員となる上で必要な修士を得るため、病院で勤務しながら大学院にも2年通いました。)
 教員として、学生に看護に関することを伝えていましたが、自身が関わるのはあくまでも学生であり、「子どもと直接関わりたい」という想いが日に日に強くなっていきました。また、その頃は在宅看護の重要性が周りで謳われていたタイミングでした。そのため、3年間続けた教員を退職し、堺市にある小児訪問看護ステーションで働くことにしました。いざ訪問看護を始めると、子どもの体重・体調管理、育児のサポート、退院後のケアなど、その家庭に入っていってサポートする訪問看護にやりがいを感じ、この仕事を続けていくことを決めました。
 しかし、どうしてもステーションの経営や運営には、代表者のカラーやスタンスが反映されます。ある時、自分の担当する子どもが病気で亡くなってしまった際、ステーションの従業員としては、お葬式に出席できなかったことがあり、とても残念に感じました。他にも、雇用される側では、自分がしたいことがやりづらいと感じることがあり、「自分が代表ならもっと選択肢を広げられるのに」という想いが募るようになりました。
 何かを行うとき「黙って進めて完成した際に初めて周りへ伝える」ということが多かったのですが、それは「できなかった時に他人からどう思われるのか」を気にした恐れであることに、その頃気付いたように思います。そこからは「できなくてもいいからまずは言ってみよう」と考えるようになり、「自分自身で小児訪問看護をしたい」と口に出して周りに言うようになりました。


● 八尾あきんど起業塾を受講した理由
 自分がやりたいことを口に出して言うようになってからは、石が坂道を転がるように、どんどん進んでいきました。訪問看護の管理者をされている方を紹介いただき、詳しくお話を聞けたり、高校時代からの友人が税理士をしており、起業時には手伝ってくれることになったり、1年後に退職・起業する前提で、起業予定地である八尾市内の訪問看護ステーションで働けることになったり。

 さらにその訪問看護ステーションで働く同僚の旦那さんが、大人向けの訪問看護で起業されるということで、多くの情報を教えていただきました。例えば、訪問看護業を行うには、株式会社または合同会社の設立が必要なのですが、会社設立の代行サービスがあることなどです。八尾あきんど起業塾のことも、この方から「行政が主催する起業塾があり、活用すると良い」とお聞きしたことで、初めて知ることができました。同時期に起業される方との「横の繋がり」も大切だと感じました

● 受講して良かったこと
 先輩起業家の方の特別講演において「熱意が大切」と話されたことが、とても響きました。自分自身も熱意を大切にしていたことから、うれしく感じたことを覚えています。
 また、漠然と自分が考えていたことを突き詰めていくことで、誰かに自分の事業内容を伝える時、何を伝えるべきなのかという点が明確になりました。この「伝えるべき点の明確化」は、事業を進めていく上で、いろんな場面で活用されています。例えば、小児専門の看護師を採用募集する際、売り手市場で、なかなか人材を確保しづらいのですが、自分がどんな事業所を作りたいのか、何を大事にしているのかということを明確に伝えることができたことで、無事に看護師を確保することができました。また、当初は起業に難色を示していた夫にも、自分がやりたいことを明確に伝えたことで、最終的には応援してくれるようになりました。夫への複数回のプレゼンは、ある意味でいい練習になったと思います(笑)
 他にも、あきんど起業塾を受講したことで、八尾市中小企業サポートセンターのコーディネーターの存在を知ることができました。創業支援コーディネーター
の方にご相談したことで、自分一人ではなかなか進められなかった銀行との取引もスムーズに進めることができました。



※ 訪問看護ステーションすくすくの開業から現在までの状況については(後編)に掲載しています!

「八尾あきんど起業塾」についてはこちら

訪問看護ステーションすくすくのホームページはこちら

写真1
北條 芙美さん(中央)

写真2
訪問看護の様子(1)

写真3
訪問看護の様子(2)

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