プロデューサー

村田 智明 氏

デザインとは、企業の問題を解決する経営戦略。

マーケティングやデザインの分野で注目の書籍がある。
“「行為のデザイン」思考法”という、村田氏の著作だ。
ものづくりに留まらず、まちづくりや社会課題の改善まで多くの企業・組織がこのメソッドを採用し成果をあげてきた。
「問題解決を果たし、イノベーションを起こす」
そんなデザインの力が、八尾市の企業に変革をもたらす。

内製化を進めて生き延びてきた企業を 次のステップへ導くために。

まず、デザイン・プロデュース事業の必要性について。

今、世界中を見てみると、成功している企業はデザイン思考なんですね。デザイン思考が企業を成功させるイノベーションツールになっている。この場合の「デザイン」は、色形だけではなくプランニングやキャッシュフローなども含めてのことで、企業の経営戦略と言ってもいいでしょう。

戦略がないと成功できない。

生産工場が海外に移転して、多くの中小企業は閉鎖に追い込まれました。その中で生き残ったのは、海外に負けない高品質の製品をつくるか、卸を介さず消費者直結の販路を開拓するか、明確な戦略を打ち出した企業です。

八尾市の企業はいかがでしょうか。

八尾市の場合、課題はコストだと見極めて内製化を進めたことが、生き残りにつながったと思います。分業化を進めたことで経費がかかり失敗する地域も多かったですから、八尾市の企業さんはすごいと思いました。

ただ、いつまでも現状ではいられません。

ステップアップのためには、外部の専門家の視点を利用したい。プロデューサーは、中の人ではわからない魅力を発見できますし、製品に合った市場も見極められます。今回の事業では、企業のさまざまな能力を俯瞰して、できるだけ内製化しながら市場価格に合ったものを出していこうと考えています。

どのような形でデザインワークを進められるのですか?

オリエンテーションやヒアリングで企業の問題を定義し、企業の価値を見極めます。徹底的にやりますよ。企業の歴史を遡り、製品の強み弱みを分析し、競合他社とも比較して「これは誰にも譲れない」部分を見出します。

それをもとに、新製品のアイデアを考えるのですね。

ここでは製品づくりに関わる全スタッフでワークショップを開催します。やっているうちに社員みんなに「自分が開発しているんだ」という実感が生まれて、どんどんいいアイデアが出てくる。そのアイデアを取捨選択してどう絞り込んでいくかは、企業トップの知恵とセンスの見せ所。こうして決まったアイデアをもとに「もののデザイン」を行うのです。

実際にものをつくる前段階が大切なんですね。

つくった後も大切です。特に販路は八尾市の企業の課題ですね。でも、それに気づかれた経営者の方は自分で販路開拓をすすめておられます。本当に頼もしい。みなさんと一緒に経営戦略をたて、会社にイノベーションを起こしていきますよ!


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