プロデューサー

飯田 吉秋 氏

社会に貢献できるものづくり企業をつくりたい。

飯田 吉秋 氏

ユーザーに感動を与え、社員に仕事への意欲をもたらし 地域社会に楽しく豊かなコミュニティを育んでいく。そんな企業が集まれば、八尾市はもっと魅力的な街になるだろう。
プロデューサーの個性で、1回限りのヒット商品をつくるのではない。
八尾市で学び、働き、暮らし、ずっとここで生きていく――そんな「八尾物語」を担う企業づくりを、飯田氏は目指している。

企業には、コミュニティへの責任がある。

どんなことを目標にSTADIに取り組まれているのですか?

「職住隣接」をかなえられる魅力的な会社をつくることです。規模が小さくても一流の会社になることはできる。自宅の近くに納得して働ける企業があれば、家族や友人と地元で過ごす時間が増えるでしょう。子育てもしやすい。そんな企業が増えれば、八尾市はもっと楽しく豊かなまちになります。

ものづくりだけが目的ではないということですね。

企業には、経営を永続させる責任があります。顧客満足や社会貢献など、人々の心や暮らしに大きな影響力があるからです。一時的に儲けても10年20年で潰れるのではなく、起伏があっても50年100年と続いていく企業でなければいけない。だから、企業の永続性につながるデザイン・プロデュースを行いたいのです。

企業の価値を引き出すものづくりのメソッド。

では。企業の永続性につながるデザイン・プロデュース事業とは?

プロデューサーの個性で商品をつくった場合、プロデューサーが企業を去れば商品もそこで終わりです。でも企業の持ち味でつくられた商品なら、プロデューサーがいなくなってもつくり続けていけるでしょう。しかし、その自社の持ち味がどこにあるかを認識できていない企業が、実は少なくありません。

課題も多そうですね。いかに事業をすすめていきますか?

これまでデザイン・プロデュース事業を行ってきた経験から、そのプロセスを体系化した「プロセス・イノベーション」という手法があります。企業の価値を見出すことをスタートに、企業の役割、プロデューサーの役割、そして共同で行うべきことを、商品開発プロセスに沿ってリストアップしており、最終的には商品によるコーポレート・アイデンティティの確立を目指しています。

新商品開発のための発想法もありますね。

「ミルメソッド」は、モノや行為をさまざまな視点から見つめてものづくりにつなげる発想法です。世の中の潜在的な課題に気づき、それを解決する商品を開発するのがねらいで、社会から必要とされ、使いたいと思ってもらえるものづくりを行います。

飯田 吉秋 氏

会社のために、社会のために、夢のあるものづくりを。

企業に永続性が求められるように、商品にも永続性が必要です。

商品の永続性については、また別のプロセスがあります。商品は人の行為の中で使われるものですから、行為から見た人の活動領域を展開図に落とし込み、開発した商品が他の領域でも使われる可能性を見つけ出していくのです。

「未来用途展開図」ですね。どう活用するのですか?

たとえば「モーター」という商品は、一般的に技術の専門領域で使われるものです。でも視点を変えれば、たとえば生活領域の中で家事ロボットとして使われる可能性も見えてくる。または、宇宙開発の分野でも使える可能性もある。今は夢かもしれない。でも、夢があれば実現に必要な条件が明確になるし、具体的な計画も立てられます。また、社員や他社とのコミュニケーションツールとして、展開図を使うことで、実現するために必要な技術や協力を得られる可能性も出てきます。

商品の社会全体での役割が見えて、企業の将来につながりますね。

ものづくりは社会のためのものであることに気づいてほしい。自社で開発した商品が、ユーザーに喜びや感動を与えたり、その人の未来を変えることだってあるのです。そこまで考えたものづくりができる企業をつくっていくために、私も全力を投入したいと思っています。


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