第1期 (株)加藤数物製作所

取組紹介

STADIで生まれました

 

「数式から生まれた〝根拠ある美しさ〟をブランド化」

小学校や中学校でおなじみの数学教材。教育現場だけでなく、もっと日常的に、より多くの方に親しんでもらうため、数式の美学によって成り立つそれらの摸型をリニューアル。サイズ、素材、製法から見直し、数学的なストーリーを秘めた知的なオブジェ「ますのび」が誕生しました。日本の四季、伝統技法と組み合わせることで、大人たちの知的好奇心をくすぐる商品として生まれ変わりました。

STADIでの事業の流れ

企画

企画

大人にはオブジェ、子どもには寺子屋をプロデュース

大人軸として、当初は数学教材にとらわれない、誰もが気軽に手に取れる生活雑貨を一から開発することを検討。しかしプロデューサーからは「自社の強みを見つめるべき」との助言。それを受け、既存の教具類を教育現場以外で活用するアイデアが飛び出す。他方、子ども軸としては、通常の学校教育とは異なるアプローチで、算数の楽しさを伝える場「寺子屋」事業を企画することで「少子化」や「算数ばなれ」といった現代が抱える課題にポジティブに向き合いたいと考える。

既存の立体教具
既存の立体教具

開発

開発

社長自らプロジェクトを動かし、奔走!

教具類の中でも数学教材はその理論を形状化することで子どもたちの理解を促す一助とすることが目的。想像力の妨げとなる余分が一切ない、シンプルでロジカルな機能美に心打たれる人は多い。3Dプリンタを利用して試作品を作り、展示会に出展してみると、反応もよく、手ごたえを掴む。社長自ら指揮を取り、素材やサイズ、色彩を変えて「数式オブジェ」の開発に乗り出す。

展示会風景
展示会風景

製造

「教具のまま」でなく「付加価値を高める」難しさに直面

教具は本来の目的で、教育現場で用いられる限り、実用性に問題なければ、デザインは二の次。しかしオブジェとなると、インテリアとしての美しさ、高い価値が要求される。たとえば、教具では当たり前のつなぎ目が、オブジェにおいては美しさを損ねるマイナス要素になってしまう。時には既存の技術力を超え外注に頼ったり、原価が高額化したり、コスト面の問題も生じた。なんとか折り合いを付けるべく、全国各地の伝統工芸などを参考に、手直しをくり返す。

販売

販売

「身近にある数式」の魅力を物心両面でアピール

販路については企画当初より、ミュージアムショップ、セレクトショップ、書店、法人ギフトなどを視野に進めて来た。さらなる販路拡大として東京でのギフトショーにも出展。バイヤーからの反応もよく、販路拡大において手ごたえをつかむ。寺子屋事業では「遊びながら楽しく算数を学ぶ」をモットーに、幼稚園に出前授業を行ったり、八尾市において小学生向けワークショップを開催。今後も継続して実施していきながら、新たな教具開発のネタを探すことに。

ギフトショー出展
ギフトショー出展

STADIに取り組んでみて

これからチャレンジする企業へ

株式会社加藤数物製作所 代表取締役 加藤 康司氏

株式会社加藤数物製作所 代表取締役 加藤 康司氏

数学の理論を用いたアートやオブジェは昔から存在していたものの、自社の教具をそこに結びつける発想は私達にはありませんでした。プロデューサーに出会い、彼女の世界観が投影されただけで教具がオブジェとして生まれ変わり、自社製品に新たな価値を見出すことができました。

プロデューサーからのコメント

塚本 カナエ氏

塚本 カナエ氏

当該企業に足りない部分を見つけ、補う方策を練ったところ、寺子屋と教具開発の2つの柱が建ちました。事業の最後に見本市に出展するに当たり、小さな食い違いもあったが、それらを含めて乗り越えなければならないハードルだったと思います。それは仕事をする上で感覚の差であり、言語の違いでもあった部分で、互いに理解しあう必要がありました。
今後の課題としてはできるだけ早期に小さなチームを作って寺子屋と教具の開発を推進できる体制を作ることが重要だと思います。


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