第1期 (株)藤原電子工業

取組紹介

STADIで生まれました

 

「コミュニケーションロボット ミーちゃん」

センサーで人の動きを察知して、相手の方を向いたり人に話しかけたりするロボットです。小売店の棚などに設置いただいても違和感がない可愛らしい姿かたちが特長。来店されたお客様に、キャンペーンや新商品の案内をすることで販売促進の支援や、防犯効果にも一役買う狙いがあります。話す言葉の内容は店舗や時期、目的などによって随時カスタマイズできます。

STADIでの事業の流れ

企画

企画

顧客の声から、自社技術をより活かす商品を検討

全国的にも強盗や万引による経済的・人的被害が後を絶たないコンビニエンスストア業界。八尾市も例外ではなく、その状況に義憤を覚えた社長は「自社の技術が地域防犯への一助になれば」と奮起。八尾市が主催する防犯会議に参加し、店舗オーナーに状況や、すでに開発中の同社センサー技術を活用したコンビニ向け防犯装置についてヒアリングを実施した。そこで得た要望をもとに、改めてターゲットや設置する目的を見直し、自社のセンサー・ロボット技術を活かしたIoT商品にニーズを見いだす。

自社開発ロボット
自社開発ロボット

開発

開発

自社の開発技術を活用したロボットを開発

店舗オーナーを悩ませているのは、決してなくなることのない万引き。しかも、子どもや高齢者が何らかの事情を抱えて犯罪行為に手を染めることも多い。小売店側からすると、犯人を捕まえることよりも、未然に防ぐこと(犯罪抑止)への期待が高いことから、同社のロボット開発技術を活用し、販売促進と万引き防止を目的とした小売店向け販売支援ロボットを提案。センサーで来店客の動きを察知し、オススメ商品やキャンペーン等の案内を行うロボットの開発を進める。

面談風景
面談風景

製造

店頭に置いても違和感のないデザインを提案

開発には新入社員2名を中心スタッフに据え、市場調査には大学生たちの協力も仰いで、社を上げて取り組んだ。防犯と同時に販売促進効果も担う、店頭でお客様とのコミュニケーションを行うロボットであることから、見た目は愛らしさを重視。まずは3Dプリンタを利用し原寸大試作品を製作したところ、店頭で設置しても違和感がないと好評。センサーの位置が異なる5色のロボット「ミーちゃん」の製造をスタート。

ロボットのデザイン
ロボットのデザイン

販売

販売

リスクの少ない受注販売と設置効果の検証を実施予定

すでにロボットサンプルは提示済みで、あとはマイコンの作り込みなど、微調整を行なえばいつでも販売可能な状態。棚卸しが終わって、新年度がスタートするタイミングでの設置を、複数のコンビニエンスストアなどで検討いただいている。ただしリスクを避けるため、受注販売方式を採用。小売店の希望によっては、外装や機能、コミュニケーションの内容をカスタマイズするなど、レンジの広い対応も魅力として売り出す。販売支援ロボットの設置がどのように販売支援や防犯に効果をもたらすのか、今後も大学と連携を取りながら、さまざまな業態の小売店で実証実験を行っていく予定である。

STADIに取り組んでみて

これからチャレンジする企業へ

株式会社藤原電子工業 代表取締役 藤原 義春氏

株式会社藤原電子工業 代表取締役 藤原 義春氏

コミュニケーションロボットについては社内ですでに技術もノウハウもあったため、プロデューサーには同時に進めている他の商品についての販売方法やデザイン面で助言をいただきました。STADIに取り組んだことで、メディアでの露出や、八尾市ふるさと納税の返礼品に採用など、新たな販路を得ることができました。プロデューサーからは量産品の製造についてもご指導いただき、今後に役立つと感じています。

プロデューサーからのコメント

羽場 一郎氏

羽場 一郎氏

当初、コンビニの万引きを防止するために逃亡者に網をかけて確保するというアイデアをお持ちでした。アイデアの検証のため、実際のコンビニの店主様にヒアリングリサーチを進めてもらいました。そのフィールドワークの反応では万引き防止は必要だけれども、捕まえるより店員の安全確保の方が大切であると言うニーズを知ることになりました。そこでそのコンセプトをロボット技術に取り組み始められている自社の強みと結合させ、万引きを見張るロボットというコンセプトに転換し開発を進めていくことになりました。このロボットを開発するという技術とセンシング技術、ネット通信技術を結んだような自社製品が将来誕生して行く事を期待しています。


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