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レポート

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2023-03-14八尾あきんど起業塾・受講生の声 vol.15

八尾あきんど起業塾2021~出発編~
受講生  石部 真由子 さん
令和4年1月  「あめ細工みつや」を開業

●開業のきっかけ
 もともと教師として3年間、商社事務員として6年間、それぞれ勤めていました。事務員の仕事をする中で、よりクリエイティブなことがしたいとも感じるようになりました。さらに子どもが生まれて1年間の産育休を経験したことで、子どもとの時間をもっと確保したいと思うようになり、復帰後1年ほど時短勤務で勤めた後、事務員を退職しました。
 退職した時期はちょうどコロナ禍が始まったタイミングだったため、少し考える時間が生まれました。子どもが小さい時は専業主婦でよくても、ゆくゆくは収入を得る方法を考えなくてはいけない、自分がやりたいことはなんだろうと、自身を振り返った際、子どもだった頃の一つの記憶にたどり着きました。それは、「たまにしか現れない、自転車に乗ったあめ細工屋さんが、太鼓を鳴らしてやってくる。あめ細工屋さんの元に、自分も含めた子どもたちが、お小遣いを持って集まってゆく。そして、そのあめ細工屋さんは、子どもたちのリクエストに応えて、様々なあめ細工を目の前で形にしていく。出来上がったあめは、もちろん子どもが好きなお菓子。」。そんな「ワクワクが詰まった」光景でした。その光景が浮かんだ時、「これだ」と感じ、あめ細工屋をしたいと決意しました。次の日、夫に伝えた時は驚いていましたが、反対はせず、静かに見守ってくれました。あめ細工屋というものをあまり知らなかったようです。その後、大阪にあるあめ細工教室へ通い、技術を磨き始めました。
 無意識だったのですが、自分自身の中には、ずっとあの時のあめ細工屋さんが存在していたのだと思います。事務員だったころ、日本の伝統工芸に興味を持ち、日本から消えてゆく仕事を残したいという想いを持つようになったことも、あの時のあめ細工屋さんによる「あめ作りの伝統技術」と、無関係ではないように感じています。

●八尾あきんど起業塾を受講した理由
 八尾市の市政だよりで情報を見つけて参加を決めました。ちょうど自分があめ細工教室に通い出してから約1年が経過し、本格的に事業を進めようと情報収集していたタイミングだったため、迷わず参加を決めました。

受講して良かったこと

 自身のビジネスプランを見直した際、「誰に対して行うのか」という、いわゆるターゲット設定において、気付きがありました。あめ細工にはいくつかの手法があり、1~2時間かけて高価なあめ細工を作る手法(主に観賞・お土産用)や、あめが固まるまでの5分程度で安価なあめ細工を作る手法(その場で食べることを想定)があります。自分がやりたかったことは、あくまでも「あの時のあめ細工屋さん」のような後者であることに改めて気付けたため、ブレずに事業を進めることができました。
 また、市内事業者の方の講演において、SNSの重要性を学べたことで、今まで自分が使っていなかったツール(インスタグラム)を活用するようになり、情報発信のみならず、情報収集にも役立てることができました。あめ細工は写真とも相性がいいため、取り組んでよかったと感じています。
 受講コースは異なりますが、同じくあきんど起業塾を受講されていた駄菓子屋さん(実践編・受講者「だがしやほおむず」松本さん)と繋がれたことで、その駄菓子屋さんの中で、定期的にあめ細工を販売する機会をいただけました。イベントの開催を望まれていた駄菓子屋さんと、うまく協業できたように感じています。さらにその様子をSNSで見られた別の駄菓子屋さんから「うちでもやってほしい」というお声がけをいただけたので、有難いと感じています。

●さらに改善してほしいこと
 最初に「起業塾」と聞いた時、自分は税金や帳簿等について学べるのかなと想像したため、そのようなメニューがあってもいいかもしれません。併せて、受講を決める前の段階で、どのような内容なのかがもう少し分かる機会があれば、さらに有難いかもしれません。

●開業から現在までの状況
 
子育てをしながら事業を進めているため、月に2~3日程度の営業で始めています。

 あめ細工を行うために資格は不要なのですが、目の前で作ったものを販売するに際しては、保健所への「行商」届出が必要だったため、届出を行いました。さらに事前に作ったものを作り置き販売するためには、保健所の「許可」が別途必要となることから、今後のオンライン販売等も見越して、ゆくゆくは許可もとりたいと考えています。
 保健所への届出により、マルシェ等で販売することが可能となりました。20221月には久宝寺緑地のマルシェに出店しましたが、物珍しさもあってか、たくさんの方に来ていただけました。その様子を見た夫に、あめ細工屋のことを改めて知ってもらえたように感じます。マルシェの出展ですが、ネットで検索すると「出展者募集」を容易に見つけることができました。昔のあめ細工屋さんは、マルシェが今ほど開催されていなかったため、自転車で移動しながら販売する行商やお祭りの出店がメインでした。今はマルシェやSNS等により、昔とは違う環境になりつつあると感じています。
 また、みせるばやおの会員となったことで、子供向けイベントに出店することも可能となりました。親子が来られる場所のため、自身の事業とは非常に親和性を感じています。

●開業前にやっておけばよかったと思うこと
 「やってよかったこと」になりますが、事業を始めるまでの準備期間で、たくさん情報収集することが大切だと思います。起業塾や開業届、確定申告や保健所の届出なども、ある程度までは自身で把握することが可能だと思います。

●これから開業される方へのメッセージ
 時勢を鑑みると、副業や起業のニーズは高まっているように感じています。やりたいことや興味があることは、深く探ってみる、突き詰めていくことが大切だと感じています。「これをやりたいなー。」だけで終わるのではなく、実際に自分で動いて、情報を集めていくことが大切ではないでしょうか。トライ&エラーを繰り返し、行動してみることで、新しいアイディアが思いつくかもしれません。


「八尾あきんど起業塾」についてはこちら

「あめ細工みつや」のインスタグラムはこちら

写真1
石部 真由子さん

写真2
あめ細工と道具

写真3
出店の様子

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