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レポート

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2022-03-31八尾あきんど起業塾・受講生の声 vol.12

八尾あきんど起業塾2020~出発編~、
八尾あきんど起業塾2021~実践編(一般型)~ 
受講生  松本 しのぶ さん
令和3年1月  駄菓子屋カフェ「だがしやほおむず」を開業
令和4年4月  店舗移転によりリニューアルオープン

● 開業のきっかけ
 自分が小さい頃に、事故で親族を亡くしたことから「いつ何があっ てもいいような悔いのない生き方をしたい」と考えていました。そのため、自分がやりたいと感じたことには積極的にチャレンジしていたように思います。工業高校の建築科を卒業し、学校等の設計を行う会社に就職しましたが、住宅や住空間に携わる仕事がしたいと考え、高校時代にアルバイトをしていた輸入家具・インテリア雑貨販売の会社に転職しました。当時、その店が入居していたビルには、さまざまな国のインテリアショップが入っていたため、自然と外国のインテリアに興味を持ち、自分で本を買って勉強したり、家具のリメイクもしていました。その後、人と話す仕事に興味を持ち、バーテンダーや親族の営む整骨院でも働きました。その後結婚し、子育てと介護をしていた時、竹渕地区の「つどいの広場」の立ち上げ事業がありました。地域をよくしたいという想いで参加したところ、他のメンバーも同様に、子育てと介護で忙しくしていました。そんな状況だったからこそ、自然とお互いをフォローし合う環境ができ、地域における繋がりが深まっていきました。その後「つどいの広場」の代表に就任し、「まちづくり協議会」にも参加するようになった頃、かつて働いていた整骨院において、経営者である親族と話す機会がありました。地域活動をしていた経験から「事業所の福利厚生には福祉の観点がもっと必要ではないか。」と提案すると「それなら是非やってみてほしい」と依頼され、老人ホームの開業について検討することになりました。開業を考えて土地を探していた際、竹渕の小学校前に小さな貸店舗を見つけました。いきなり大きな土地で老人ホーム等をすることは難しい、また、竹渕にはエンタメ要素が少なく、コロナ禍で遠出できない子どもの支援に繋がることもしたい、と考えたとき「介護相談ができ、子どものコミュニティにもなる場所=駄菓子屋カフェ」を開こうと考えました。

● 八尾あきんど起業塾を受講した理由
 出発編に参加したきっかけは「市政だより」でした。地域の方に対して、子どもに関する情報等を提供する目的で、普段から八尾市の「市政だより」に目を通していたため、あきんど起業塾の受講生募集の記事が出た際、応募することにしました。
 出発編を受講した翌年に実践編(一般型)を受講しましたが、これは、開店した店舗が約1年で移転することになったため、具体的な店舗設計や新事業についての支援を求めて申込みました。

● 受講してよかったこと
 出発編においては、子どもの達成感を満たすスタンプカードや手紙を活用した固定客化、子育てに関わった経験を事業の強みに反映させる等、子ども向け事業に対する具体的なアドバイスを講師の方から多数いただけました。
 翌年の実践編(一般型)においては、普段カフェを訪れるだけでは気づかない事業の裏側やこだわりについてメンターから学べたことや、メンターの「無理なくいいものを提供する」というアドバイスによって、「やらないといけない」という気負いがなくなり、自分の心が軽くなりました。

● さらに改善してほしいこと
 出発編はオンライン受講だったため、人と話したかった自分にとっては少し残念でした。
 実践編については、自分が申込んでいいのかな、と少し勇気が必要でした。しかし、自分から飛び来むきっかけにもなったため、そういった意味では経験になりました。また、一般型は年度末までの事業のため、早くからの申し込みが重要だと感じました。

● 開業から現在までの状況
 物件のオーナーに許可をいただいた上で、自身の経験を生かしたDIYにより内装を子ども向けにアレンジし、「だがしやほおむず」を開店しました。駄菓子屋カフェとして幅広い年代の方のコミュニティとなり、また、付近に喫茶店等がなかったことから、地元企業の方の打合せスペースとしての役割も担うようになりました。
 順調に事業を進めていましたが、耐震の観点から、店舗物件の取り壊しが決まってしまいました。店舗の移転を余儀なくされ、新たな物件を探したところ、旧店舗付近に空き物件が見つかり、そこに移転を決めました。その際、あきんど起業塾の実践編(一般型)を受講し、店舗の改装を行いました。メンターからのアドバイスを受けながら、DIYも駆使して店舗づくりを行いました。新店舗は令和4年4月に開店です。新店舗は旧店舗に比べてスペースが広いため、今後、駄菓子やカフェ以外にも地域の方に貢献ができる事業を考えています。

● 開業前にやっておけばよかったと思うこと
 軽食メニューを考えたとき、自分がやりたいことを優先していたため、実際に開店した際、食品ロス等の影響からメニュー変更を余儀なくされました。やってみて初めてわかったことも多かったですが、開店前に、もっと実践的な検証もしておくべきだったと感じています。
 また、これは、やっておいてよかったことになりますが、経理関係について学べる機会は最大限活用すべきだと思います。商工会議所の会員が利用できる確定申告支援を利用した他、会計ソフトの導入については、八尾市立中小企業サポートセンターのコーディネーターに相談しました。いずれも開業において必要となる情報であるため、活用されることをお勧めします。

● これから開業される方へのメッセージ
 あきんど起業塾の講師の方に言われた言葉ですが「成功の前にいっぱい小さい失敗をしておく」ということは大切だと思います。自分は店舗移転の機会を使って、旧店舗での失敗を新店舗に生かせたと感じています。
 また、「他人のふんどしをで相撲をとる」のも大事だと考えています。これは、自分がやりたいことを実現するために、自分でできない部分は他から持ってくる、ということです。自分はカフェで焼き菓子の販売をしたかったのですが、自分で焼き菓子を作れないため、他の方の商品を置かせていただいています。やりたいことの実現には、いろんな手法があるということを知っていただきたいです。


「八尾あきんど起業塾」についてはこちら

「だがしやほおむず」のインスタグラムはこちらから

写真1
松本 しのぶ さん

写真2
駄菓子屋

写真3
カフェスペース

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