八尾あきんど起業塾・受講生の声 vol.11
八尾あきんど起業塾2016　～入門編～　受講生　　
泉谷　徹二　さん

平成２９年４月　　ボードゲームカフェ＆ショップ「inst」を開業

・開業のきっかけ
もともと、何か自分でやりたいとは考えていましたが、機会が見つからず、卒業記念品などを販売する会社員として１０年間働いていました。ある日、プライベートで大阪市内のボードゲームショップを訪れた際、その魅力に引き込まれ「これはいける！テレビに出れるんじゃないか！」と直感し、この事業で独立しようと考えました（後の話になりますが、開業後に本当にテレビが撮影に来ました。）。
　独立を考えていても、なかなか一歩を踏み出せない人は周りにもたくさんいました。でも、そんな中で「やりたいものがあるのに踏み出せないような自分は嫌だ」と感じていたため、思い切って一歩踏み出すことにしました。会社の上司に退職の旨を伝えた際「あなたならそうすると思った。」と言われたため、独立志向であることは他の人にも伝わっていたようです。
　また、後に融資を受けることができたことや、実家に住んでおり、家族のサポートを受けられたことも追い風になりました。

・八尾あきんど起業塾を受講した理由
　インターネットで創業について調べていた時に、銀行が実施する創業スクールが見つかり、受講することを決めました。その創業スクールにおいて、あきんど起業塾の存在を知りました。スクールを受講した後に改めてあきんど起業塾を受講したのは、受講生同士の横の繋がりが欲しいと感じていたためです。

・受講して良かったこと
　期待したとおり、横の繋がりを作ることができました。受講中も、八尾で開業する同期がいることで、同じレベル感で創業を一緒に進めることができ、大変有難かったです。銀行の融資についても、あきんど起業塾の受講中に認可が下り、受けることができました。

・さらに改善してほしいこと
　特にありませんが、銀行が実施する創業スクールでは、税理士や労務士等、多様な講師と知り合えたことがメリットに感じましたので、その点においては改良の余地があるかもしれません。

・開業から現在までの状況
　もともと大阪に数店舗しかなかったボードゲームカフェですが、今では３０店舗くらいに増えました。自分自身も初期の店舗を参考にして起業しましたが、自店舗のコンセプトについては強く意識しました。もともと大阪にあった店舗は、マニアックな雰囲気が強く、初めて店に入る方にはハードルがあるように感じていました。そのため、自店舗ではもっとカジュアルに、初めての人も入りやすい雰囲気にしたいと思いました。そのため、ボードゲームのプレイスペースや販売に加え、カフェを併設しました。カフェがないボードゲームショップも多いため、他の店舗との差別化が図れたのではないかと感じています。
　コロナ禍に入り、お客さんの来店、特に新規の方の来店が減少しました。また、家庭で過ごす時間の増加に伴い、大手の小売店がボードゲーム販売業にどんどん参入してきました。そんな逆境の一方、自店の品揃えには手ごたえを感じていました。大手の小売店が数種類しか陳列できないことに対し、自店は世界中の、多種類のボードゲームを取り扱っていることが強みであり、実際に特定のボードゲームを購入する目的で、信州地方から自店を調べて来店される方もいらっしゃいました。

・開業前にやっておけばよかったと思うこと
　主に設備についての見通しが甘かったと感じています。銀行融資が決定した後にプロジェクター設置を決めたため、必要な設備資金を借り入れできなかったり、中古で購入した冷蔵庫が数か月で故障してしまったにもかかわらず、メンテナンス費用を想定していなかったため手元資金が少なくなってしまったりと、設備に関するトラブルが多発しました。設備は比較的大きい金額が動くため、綿密に資金計画をたてておくことが必要だと思います。

・これから開業される方へのメッセージ
　絶対に成功できます。いや、成功させるでしょう。食べていくための事業ですから。また、やらないと何も得られない、つまりゼロです。一方で、やってみてダメだったとしても、そこにはプラスになるものが絶対にあるので、ゼロではありません。つまり、もし挑戦してダメだったとしても、それは「失敗」にはならないと思います。挑戦には不安が伴うかもしれませんが、それを乗り越えるための、いい意味での「無謀」さが必要だと思います。
　また、ぼんやりでも「こんなサービスが必要なのではないか」と考えている方、同じようにそのサービスを必要とする方は必ずいると思うので、是非「無謀」に挑戦してほしいです。

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