八尾あきんど起業塾・受講生の声 Vol.6
八尾あきんど起業塾2020～出発編～　受講生　　
川江　正美　さん
平成１０年１月　　ガーデンショップを開店
平成２０年　　　　店名を「mon dimanche モン・ディマンシェ」に変更
平成３０年９月　　店舗を現在の場所へ移転
 
 ●開業のきっかけ
もともとお花には興味があり、中学２年生から高校３年生まで近所で華道を習い、壬生流の師範免許も保有しました。ただしその後はお花を職業にする予定もなく、結婚後３人の子供を育てる主婦として過ごしていました。３人目の子供が２歳になった頃、当時、商社から独立した夫が、花屋の経営をしていたため、八尾市内で廃業する同業者から「施設をそのまま引き継ぎ花屋をしてくれる人がいないか」と相談を受けていました。その時、自分の「やってみたい」という気持ちが「大丈夫だろうか」という不安よりも大きく、チャレンジすることとなりました。花屋の施設がそのまま使えたことや、もともとその場所で事業をしていた方からサポートを受けられたこと、実家が近く子供のフォローをお願いできたことも後押しになったと思います。店舗名の由来は、フランス語で「日曜日」の意味の「ディマンシュ」からつけています。ゆっくりお花を楽しめる休日にというイメージでつけました。

 ●八尾あきんど起業塾を受講した理由
産業振興会議などで八尾市の取り組みについては知っておりましたが、すでに開業していたため、当初は参加を躊躇っていました。そんな時、八尾市の産業政策課から、すでに開業した方でも受講することができるとお聞きし、受講させていただこうと決心しました。
 
●受講して良かったこと
開業後も独学で事業を進めていたため、ビジネスプランの策定などについてあらためて勉強できる機会をいただけたことが有難く感じました。また、当時の講義では、自分の周りの環境について棚卸し、それを今後どう活用していくのかという内容について学びましたが、実際に事業を進めていくなかで、そのことを考える必要がある場面に遭遇し、その時に講義内容を思い返すことで事業をスムーズに進めることができました。受講した当時はあまりピンときていなかったことも、事業を進めていくなかでその意義を発見し、自身の事業に生かすことができたように感じます。他にも、自身に近いコミュニティ以外の方のお話を聞けたため、事業の参考になることを多く吸収することができました。
 
●さらに改善してほしいこと
2020年度はコロナの影響でZOOM開催となったため、同期の繋がりを作ることが難しく感じました。一度でもほかの参加者と実際に対面できれば、もう少し意識が変わったかもしれません。
 
●開業から現在までの状況
当初開業したお店では試行錯誤の毎日でした。最初は植物図鑑を片手に、常に勉強しながらお客さんに対応していました（お客さんから教えていただくこともたくさんありました。）。最初の１年ほどで、一つ目の転機が訪れました。もともとその場所で事業をされていた方が完全に離れ、自分自身のお客さんを作ることが必要だと感じるようになりました。経営の先輩である夫の助言もあり、自分が外へ出る機会を確保したいと考え、従業員を一人雇用することになりました。自分自身が出張植え込みや庭の掃除、不要鉢の回収等でお客さんとの関わりを増やす一方、従業員の方はパソコンが得意だったため、お店のブログやネットショップを開設し、販路開拓を行いました。結果としてこの両方がうまくいき、出張でお伺いした方がリピーターになったり、当時珍しかったネットショップにより、遠方の方からの注文も受けられるようになりました。そのお店で約２０年営業した後、二つ目の転機が訪れました。自分の父と従業員が同じ時期に体調を崩してしまったことです。父の介護のため、母が営業していた実家の喫茶店を閉めることになり、また、自分も従業員がいない状況での店舗経営に難しさを感じていました。そのため、家賃負担の軽減や両親の近くにいられることを考え、実家の喫茶店あとに自身がガーデンショップを開くことを決心しました。約３年前のことです。近年、コロナ禍で経営縮小が必要とされているため、今思えば、そのタイミングで移転できたことはとてもよかったと感じています。今後についてですが、写真家で美容師の資格も持っている娘と共に、お花を生かした新しいサービスを検討しています。

●開業前にやっておけばよかったと思うこと
やってよかったことになりますが、自分自身で考え、後悔しない選択ができたことです。周りの意見を聞くことももちろん大切ですが、真剣に悩んだ時、決定するのは自分だと考えています。自身が「自分で考えたいタイプ」ということもありますが、その時その時で真剣に考え、悩み、自分に問い詰めながら、ベストな選択ができたと感じています。後から振りかえって後悔しない選択ができたことは、とても良かったと感じています。

●これから開業される方へのメッセージ
まずは「やってみる」ことが大切だと思います。難しく考えすぎずに、例えば、名刺をつくって名乗るだけでも創業だと思います。気の持ちようではないですが、何事も口に出したり、「やって」みないと進みません。怖がらずに、小さなことでも「やって」みて、そして「やっていることを発信」してください。その良し悪しは「やって」みてから判断すればいいですし、判断材料は後からでも学ぶことができます。実際、私はあきんど起業塾で後から学びました。そして創業は「やって」必ず成功するものではありませんが、たとえ失敗しても、そこから少しずつ成功に向かっていけばいいと思います。また、八尾には創業について相談できる場所があり、自分も助けていただいています。その支援も活用しながら、「やって」いってほしいです。

「八尾あきんど起業塾」についてはこちら

「mon dimanche モン・ディマンシェ」の情報はこちらから